配偶者に対する減額制度

(1)配偶者の相続税額の軽減

配偶者の相続税額の軽減制度は、多額となる相続税の負担において、相続した後の配偶者の生活保障等を考慮した、配偶者特有の税額控除制度です。

 

※計算方法

配偶者の相続税額の軽減による控除額は以下のように計算されます。

相続税総額 × 注1 / 課税価格の合計額=税額軽減額

 

注1:①配偶者が法定相続分で取得したとした場合の課税価格と1億6,000万円と比較して多い額。

②①の額と配偶者が実際に取得した部分の課税価格。

注2:配偶者の負担する相続税額(暦年における贈与税額を控除した残額)を限度額とする。

 

例:被相続人(父)→配偶者(母)および長男が相続

全員の負担する相続税額・・・800万円(配偶者:200万円)

全員の相続した財産価格・・・1億2,000万円(配偶者:3,000万円)

①200万円

②800万円 ×(イ)/ 1億2,000万円= 200万円

(イ)A:1億2,000万円 × 1/2 =6,000万円 < 1億6,000万円 ∴1億6,000万円

B:3,000万円

C:A > B ∴3,000万円

③ ① ≦ ② ∴200万円

 

例にように、配偶者の取得する財産の価格によっては、配偶者の負担する相続税額を0円にすることも可能です。

 

どのような手続きが必要か?

相続税の申告書にこの規定を受ける旨等の記載および、戸籍謄本その他一定の書類を添付して提出すれば受けることができます。

 

(2)贈与税の配偶者控除

婚姻期間が20年以上である配偶者から居住用不動産または居住用不動産取得のための金銭の贈与で、その取得した居住用不動産に居住し、継続して居住する見込みであるときは、居住用不動産を含めた課税価格から最高2,000万円を控除する。

 

特別障害者

イ.精神障害者保険福祉手帳の交付を受けている方

ロ.身体障害者手帳に身体上の障害があるものとして記載されている方

ハ.精神障害者福祉手帳に1級と記載されている方

ニ.身体障害者手帳に1級または2級と記載されている方、

ホ.寝たきりで複雑な介護を常に要する方

 

特定事業用宅地等

被相続人が生前に営んでいた事業(例:店舗や事務所を経営している場合etc.)の敷地として使用していた宅地等で、親族が取得したものをいいます。

 

ただし、申告期限まで保有し、かつ、その事業を引き継がなければなりません。

これに該当した場合には、400㎡までは80%相当額が減額されます。

特定居住用宅地等

被相続人の住んでいた家屋の敷地として使用していた宅地等で、次の方達が取得したものをいいます

イ.被相続人の配偶者

ロ.配偶者以外の親族(申告期限までその家屋に住んでいることが条件)

ハ.被相続人と別居していた親族(相続開始前3年以内にその親族又はその配偶者所有の家屋に居住していない場合で、被相続人の住んでいた家屋に同居していた法定相続人がいない場合に限る)

 

※いずれも、申告期限までその土地を保有していなければなりません。

これに該当した場合には、240㎡までは80%相当額が減額されます。