未分割遺産

未分割遺産とは文字通りですが、相続税の申告期限においてまだ誰が引き継ぐか分からない財産のことを言います。

相続税額の計算については、財産を分割した場合における各取得者の持分により計算された課税価格により計算されることとなるので、分割されていない財産について民法の規定によりそれぞれの相続人等が分割したとした場合の課税価格を計算しなければなりません。また分割した場合に受けられる様々な特例の適用に支障を来すこととなります。

 

(1)どのように分割額を計算するのか?

①申告期限までに分割されていない財産の価格を算定する。

②被相続人にかかる特別受益額を算定する。

特別受益額とは、相続人が①以外の財産、遺言による財産および被相続人からの贈与による財産(一定の場合を除く)を取得した場合に受けた利益、つまり受けた財産の価格のことを指します。

この際、生前贈与加算とは異なり、生前に被相続人から受けた全ての財産について考慮しなければなりません。

③①の額と②の額を合算し、みなし相続財産の額を算定する。

④③の金額を各相続人の法定相続分等で按分し、それぞれの金額から各相続人の特別受益額を控除する。

 

(2)特例に対する取り扱いは?

【小規模宅地等の減額】

・分割した場合:要件を満たしている宅地である場合には、それぞれ適用を受けることが可能。

・未分割の場合:適用要件を満たしていたとしても、分割されていない宅地については適用できない。

 

【特定計画山林の減額】

・分割した場合:要件を満たしている山林等である場合には、適用を受けることが可能。

・未分割の場合:適用要件を満たしていたとしても、分割されていない山林等については適用できない。

 

【立木の評価減】

・分割した場合:各相続人等で取得した場合には、その取得した立木の価格に対して適用を受けることができます。

・未分割の場合:分割されていない立木の場合には、分割前の立木の価格に対して15/100を乗じた評価減の額を算出し、各相続人の純資産価額に応じて配分します。

 

【配偶者の税額軽減】

・分割した場合:全ての財産に係る相続税の課税価格を基に控除額を算定することができます。

・未分割の場合:分割されていない財産については、限度額を算定する際における配偶者の課税価格相当額に含めることができない。