相続が発生した場合、期限内に相続税を納めないといけないことをご存知ですか?実は、相続が発生してから10ヶ月以内に相続税を申告・納付しなければ余分に税金がかかってしまう恐れがあります。
今回は、期限内に相続税を納める手順ややるべきことをそれぞれみていきましょう。
意外と厳しい相続の期限あれこれ
相続が発生後から、相続税の申告・納付については厳密なルールが法律により決められています。
相続税の納付は、相続発生から10ヶ月以内と定められています。相続税が発生するのかどうか、自分が財産を受け取るのか放棄するのか、その間に確定しなければなりません。
また、相続税の支払いが遅れると、余分に税金を支払わなければならない可能性が出てくるので注意しましょう。
相続税は期限内に納めよう
相続発生後から10ヶ月以内に相続税を納付しなければなりません。相続税が納期限よりも延滞すると、ペナルティとして追徴課税が発生します。追徴課税は以下のようになっています。
- 納期限から2ヶ月以内に納付した場合:年7.3%または特例基準割合+4%のいずれか低い方
- 納期限から2ヶ月を超えて納付した場合:年14.6%
よって、余分に税金を納めなければならなくなってしまいます。必ず期限内に相続税を納めるようにしましょう。
相続放棄の期限は3ヶ月以内
相続に関して期限があるのは、相続税だけではありません。相続放棄をするかどうか、相続が発生してから3ヶ月以内に決定する必要があります。
マイナスの財産の方が多い、被相続人と仲が悪くて相続財産を受け取りたくない、遺産分割協議で自分は財産を受け取らないことが決まった場合、相続放棄の手続をする必要があります。
相続放棄は、亡くなった方の住所を管轄している家庭裁判所に申し立てなければなりません。その期限が、相続発生後3ヶ月となります。3ヶ月以内に相続放棄をしなかった場合、自動的に相続をしたことになってしまうので注意しましょう。
ただし、相続放棄しようか迷っている場合、家庭裁判所に申し立てることで、相続放棄の期限を3ヶ月伸ばすことができます。財産の洗い出しに時間がかかる場合などは、相続放棄の期限延期を検討してみると良いでしょう。
相続税納付の期限までにやらなければならないこと
相続の期限が10ヶ月、相続放棄の期限が3ヶ月とわかったところで、その期限までにどのような手続きが必要なのでしょうか。
相続発生後から相続税納付までの流れ
①死亡届の提出
まず、被相続人の7日以内に死亡届を提出する必要があります。最寄りの市役所に提出しましょう。
また、年金の死亡届を提出する必要があります。また、必要な場合は、遺族年金の請求も同時に行います。国保や社保を返納し、保険料から葬祭費の費用を請求したければします。
②相続放棄を行うかの決定と確定申告
先ほどみたように、3ヶ月以内に相続放棄を行うかどうかの決定をします。また、被相続人の死亡日から4ヶ月以内に、被相続人の収入について確定申告を行う必要があります。
この手続きのことを準確定申告といいます。
④遺産分割と名義人変更
ここまで済んだら、いよいよ遺産の分割がスタートします。遺言書がある場合は、多くの場合遺言書に従って遺産を分割します。遺言書がない場合は、遺産分割協議を行い、財産の分配を決めていきます。
遺産分割協議には期限がないのですが、できるだけ早期に行いましょう。そして、各遺産において名義人を変更する必要のある場合は、名義変更を行います。
ちなみに不動産の名義変更は、しなくても良いのですが、亡くなった人の名義のままにしておくと、次の相続が起こった場合や、何らかの問題があって賠償金が支払われることになった場合にトラブルとなる恐れがあります。
遺産が分配された際に、不動産についても名義変更をしておいた方が良いでしょう。
⑤相続税の申告
相続の分配後、税務署に相続税の申告を行います。同時に相続税の納付も行い、完了です。10ヶ月以内に申告・納付を済ませましょう。
相続発生後に速やかにやるべきこと
期限は決まっていませんが、相続が発生した際に、速やかに行わなくてはならないことが2つあります。
- 相続財産の全貌洗い出し
- 相続人の人数確定
相続をスムーズに行うためにも、最初に行っておく必要があります。
相続財産の全貌洗い出し
プラスの財産・マイナスの財産共に洗い出す必要があります。具体的には、現金、預金、不動産、車、そしてローンなどの借金です。
銀行の残高証明書、固定資産税通知書、登記簿謄本、車検証、ローンの請求書などを確認し、財産全体を洗い出します。プラスとマイナスの財産が明らかになったら、相続を行うか・それとも相続放棄をするかを決める必要があります。
プラスの財産とマイナスの財産の洗い出しができないと、相続事態を進めることができません。できるだけ早期に確定する必要があるでしょう。
相続人の人数確定
次に、相続人が何人いるのか、確定する必要があります。ここで注意するべきことが一点あり、たとえば妻と子供2人の家族だから相続人は3人と安易に決めることができないケースがあります。
万が一にも愛人や隠し子がいる、という場合は相続人の数が変わる場合があります。相続人の数と優先順位によって、遺産分配が変わってきます。相続人が何人いるのかも、相続発生後速やかに確定しましょう。
その他やるべきこと
相続とは直接関係ありませんが、被相続人の勤務先や関係のある人に被相続人がなくなったことを伝える必要があります。また、場合によっては会社から見舞金が出る場合がありますし、迷惑をかけないためにも早期に連絡しましょう。
支払先への連絡もしておく
そして、銀行口座がすぐさま凍結されますので、各種引き落としができなくなるのでそちらの支払先に連絡する必要があるでしょう。
相続は期限厳守も大事
いかがでしたか?相続には、相続税・相続放棄において守らなければならない期限があります。特に相続税においては、納期限を守らないと延滞税が発生してしまうので要注意です。
延滞税を支払わないためにも、相続の発生前後に速やかに税理士に相談することをおすすめします。初回30分無料相談の税理士相談などもあるので、ぜひ利用してみましょう。また、相続に関しては相続専門の税理士に依頼するのがおすすめです。相続専門の税理士なら、期限に送れる心配もなくスムーズに対応してもらうことができますよ。