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相続税が発生するかもしれない。そんなときには、税率が気になりますよね。どの程度の税率で自分の財産はどの程度、国に納めなければならないのか、情報を得たいと思うのではないでしょうか。

そんなとき、速算表を使ってざっくりと相続税額を把握しましょう。

相続税の税率と財産の関係

相続税は高いというイメージをお持ちの方も少なくないでしょう。実際に相続税は税率が高いのですが、実は相続をしたすべての人が相続税を支払わなければならないわけではありません。

基礎控除や配偶者などがあるため、ほとんどの人は相続税自体を支払う必要がありません。また、相続税を支払う場合でも、相続分全額に相続税がかかるわけではありません。

財産が多いほど相続税の税率は高くなる

ただし、財産が多い場合には相続税に注意が必要です。相続税は、財産に比例して税率が高くなります。、財産の額が大きくなればなるほど、相続税額は高くなるのです。

例えば、財産が5,000万円以上1億円以下の場合、700万円の控除があってさらにそこに対して30%の税率がかけられるのです。

つまり財産8,000万円だと、(8,000万-700万円)×30%=2,190万円が相続税となります。しかしこれはあくまで概算です。

このように、財産を受け継いだ人にとって相続税はかなりの負担であることは明らかです。さらに相続税は2015年に増税されており、従来なら相続税の対象外であった人まで相続税の対象となりつつあります。

相続税は今後も高くなる?

日本は借金大国かつ社会保障費が120兆円に迫る勢いであり、超高齢社会になりつつあります。

増え続ける高齢者を中心に、医療・年金・介護・福祉といったお金をまかなうためにも、さらなる増税・税率アップが必要であると考えられています。しかし受け継ぐべき財産がある人にとっては、これは負担ですよね。

相続税の税率

税率から相続税を計算するための「速算表」

では、相続税率をみてみましょう。相続税率は、相続人それぞれが分配される相続額によって税率が決められています。

法定相続分の取得金額 税率 控除
1,000万円以下 10%
3,000万円以下 15% 50万円
5,000万円以下 20% 200万円
1億円以下 30% 700万円
2億円以下 40% 1,700万円
3億円以下 45% 2,700万円
6億円以下 50% 4,200万円
6億円超 55% 7,200万円

ちなみに相続税が変更になっているので、2014年12月31日までに被相続人が亡くなっている場合は、この速算表とは異なる税率となります。

税率をみながら相続税を計算しよう

では速算表の見方の見方と相続税の出し方をみていきましょう。相続税は相続人それぞれが配分された相続額から計算します。また、配偶者の場合は配偶者控除により1億6,000万円までは非課税です。

そのほか、基礎控除を差し引いて相続税を計算します。

配分財産を確認しよう

まずは配分されている財産を確認する必要があります。相続配分は遺産分割協議で決まりますが、効力のある遺言書がある場合はそちらを優先します。

順当な順位で相続配分を決めた場合、配偶者が1/2、子供が残り1/2を子供の人数で割って配分することになります。

相続税の計算例

さて、今回は、配偶者が1人、子供が1人の場合に順当な順位で相続額を配分する場合を例にみていきましょう。全相続額が6,000万円だったとします。

基礎控除額の計算

まずは基礎控除額を計算しましょう。基礎控除額は以下の式より求められます。

3,000万円+(相続人の数×600万円)

よって、この場合基礎控除学は

3,000万円+(2×600万円)=4,200万円

となります。

各相続人の相続税の計算

基礎控除分を除いた相続分に相続税がかかります。

6,000万円-4,200万円=1,800万円

また、配偶者は配偶者控除により1億6,000万円までは相続税がかかりません。よって、子供の相続税を以下の式より算出します。

子供の課税対象相続分:1,800万円÷2=900万円

相続税の計算:900万円×10%=90万円

このように、相続税率の早見表をみながら相続税を計算していきます。

相続による税率のちがい

おまけ:相続税以外の主な税金の税率

他にも相続税額と同様に、得た金額の過多に比例して税額が多くなる税もありますし、そうでないものもあります。所得税、法人税、消費税はどうなっているのでしょうか。

所得税の税率

まず「所得税」ですが、こちらも所得金額に応じて控除があります。控除は金額に応じて高くなっていきますが、その分税率も上がります。最高税率は45%と非常に高く、年収4,000万円を超える人は年収の4割以上を税金で納めていることになります。

これに加えて、個人なので「住民税」もありますし、保険料や年金も納めることになるので、収入が多いとその分だけ負担額も大きくなっていきます。

法人税の税率

「法人税」は19%~23.4%の間で収まっています。国は法人税を下げる方向性であり、これによって雇用が創出され、より働く場が増えるため良いものだとみなされる場合と、個人の負担ばかりあがって法人の負担が下がっているという批判があります。

消費税の税率

「消費税」は2017年12月現在、一律8%となっていますが、2019年10月1日から、10%に増税されることがほぼ決まっており、消費者の負担は増えます。事業者の場合、年間1,000万円の売上までは免税となりますが、それ以上の売上がある人はこの消費税を納めなければなりません。

海外の相続税率は?

相続税は、実のところ一部の国でのみしか適用されていません。海外では、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツなどです。そして日本ですね。

オーストラリアやニュージーランド、中国、カナダといった国々では、相続税はかかりません。アジアにおいてはマレーシアやシンガポールといった経済が伸びている国も、相続税がないのです。

最高税率は日本が55%、フランスが45%、アメリカとイギリスが40%、ドイツが30%となっています。

世界の相続税の税率の違い

まとめ

いかがでしたか?今回はほか税金の税率も交えながら、相続税の税率についてみていきました。

相続税は、相続人への相続の配分の仕方や節税対策を行うことで、相続財産が多い場合でも相続税を節税することができます。

また、相続税をどれくらい引き下げることができるかは、相続専門税理士の腕の見せどころです。特に今回の速算表を見て、自分の税率が高いなと思った人は、ぜひ相続専門の税理士に質問してみると良いですよ。