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生命保険を利用して相続税を節税することができます。生命保険は、健康な人が生きているうちに自分の身に対してかけ、亡くなったらそれを受取人がまとまった額を受け取るというものです。

ではそんな生命保険がなぜ節税になるのでしょうか。どのような仕組みなのか、みていきます。

生命保険は相続税の節税に効果大なのでおすすめの節税

生命保険は、相続税の節税に大きな効果を発揮します。節税に対する生命保険のメリットについては次でみていきますが、非課税枠として「500万円×法定相続人」の対象となります。

また、相続放棄となった人も、この非課税枠にカウントすることができます。よって、生命保険への加入が節税に効果的なのです。気軽に始めることのできる節税対策です。

生命保険による節税を始めるには

当然ですが、生命保険に加入する事で節税を始めるためには、保険料を払うための金銭的なゆとりのある必要があります。また、健康上に問題のある場合、加入できる生命保険が限られます。

生命保険は、たとえば持病に糖尿病がある、メンタルヘルスの病院に通っているなどの場合は加入することができないケースが多くなっています。「持病があっても入れる保険」もありますが、非常に割高な場合も少なくありません。節税効果と得られる保険金を比較検討してから加入を考えることが大切です。

生命保険加入による節税は、健康な人に対して非常にメリットが多いです。生命保険にまだ加入していない場合、以下のメリットを理解し加入を検討してみることをおすすめします。

生命保険による相続税節税

生命保険加入による節税5つのメリット

では生命保険による相続税の節税メリットや、加入した場合のメリットをみていきましょう。

生命保険メリット1:非課税枠が大きくなる

生命保険加入者の死後、家族が受け取る保険金を「死亡保険金」と呼びます。妻や子など、残された家族の生活を助けるための貴重な生活資金となります。

さきほども少し解説しましたが、この死亡保険金には、生命保険非課税枠というものがあります。それは「500万円×法定相続人の数」分だけ、非課税となるのです。

例えば妻と子供二人が後に残された場合は、法定相続人が3人になりますので、1500万円分の非課税枠となります。よって、基礎控除分に生命保険による非課税枠をプラスすることで、全体の非課税枠を増やすことができます。

さらに、基礎控除分も含めると、亡くなった人の財産を受け継ぐ場合に、「3000万円+600万円×法定相続人の数」だけ、基礎控除となってこちらも課税対象から除外されます。これは保険金だけではなく、その他の財産も合わせてのものです。

債務控除というものもあり、亡くなった方に借金があった場合や葬儀費用も、相続税から控除できます。配偶者控除は1億6000万円まで非課税なので、たいていの場合は配偶者の場合、相続税対策は不要となります。

生命保険メリット2:相続放棄した人も非課税の枠に含む

例えば妻と子供2人が残された場合、子供のうち1人が相続放棄をしているとします。しかし、生命保険によって支払われる死亡保険金の非課税分に、相続放棄をした子供も人数として加えることができます。よって、非課税枠は依然として3人のままです。

ただし、妻が死亡保険金の受取人で、その妻が相続放棄した場合には、非課税人数に妻は含まれません。

生命保険メリット3:凍結がなく早めに受け取れる

たとえば銀行口座は、持ち主が亡くなったことがわかり次第、銀行によって凍結されてしまいます。つまり、亡くなってその方の貯金から葬儀代を出そうと思っても、凍結されて引き出すことができないのです。遺産分割協議書等を銀行に提出してはじめて、凍結が解除され正式な相続人に預金が渡ります。

よって、相続された財産を受け取るためには時間がかかります。

一方、生命保険の場合、一度凍結されることはありません。書類が揃っていれば1週間程度で現金で受け取ることができます。まとまったお金を受け取ることができて、非常に助かりますね。

生命保険メリット4:トラブルにならない

生命保険加入による死亡保険金は、あらかじめ受取人が決まっています。よって誰が受け取るかを争うトラブルが起こることはありません。

遺産を分ける際には、遺言書が重視されますが、遺言書がなければ残された人同士で話し合って、遺産分割協議を行う必要があります。しかし死亡保険金は、遺産分割協議には含まれません。よって、トラブルが起こることはありません。

生命保険メリット5:銀行よりも利息が良い

保険の種類によっては、貯金のような役割を果たしてくれるものもあります。銀行よりも利率が高く、お得です。

さらに、満期になってもそのまま保険会社に預けておけば、高い利率で運用することができます。これも生命保険に加入するメリットといえるでしょう。

生命保険と節税の関係

生命保険にも相続税がかかるの?

では生命保険にも相続税がかかるのでしょうか。生命保険に対する課税には、誰が保険料を払っていたかによって、相続税・贈与税・所得税の3つに別れます。今回は、被保険者本人が保険料を払っていた場合における相続税についてみていきましょう。

例えば被保険者が夫で、保険料の支払いも夫だった場合、それは残された人に渡される財産として死亡保険金はすべて相続税の対象となります。しかし上述で見た通り、非課税枠や控除がありますので、全額が相続税の対象となるわけではありません。

死亡保険金が支払われると、他の財産と合わせてからまとめて非課税枠や葬儀費用、基礎控除を計算します。下記で計算方法を確認しますが、それほど複雑なものではありません。

死亡保険金支払後の相続税計算方法

今回は、妻と子供が二人いて、以下のような財産の場合を例にみていきましょう。

  • 法定相続人:妻と子2人
  • 死亡保険金;3000万円
  • その他の財産:4000万円
  • 葬儀費用:200万円
  • 借金:500万円

の例で計算します。

財産7000万円―非課税枠1500万円―債務控除700万円―基礎控除4800万円=0となって、合計額をみるに、相続税が発生しなくなります。

ちなみに配偶者には配偶者控除があるので、1億6000万円までは非課税となります。よって、配偶者に対してはより相続税の負担が少なくなります。

相続税の課税価格計算方法はそれほど複雑ではありませんが、資産が多い場合、借金がある場合、同時に法定相続人が複数いる場合などは、相続前にあらかじめ税理士に相談しておくことが賢明です。

特に、節税のことを考えると、相続専門の税理士に頼むと良いでしょう。生命保険による節税方法のように、相続について詳しく相談に乗ってもらうことができます。専門的なアドバイスがもらえるプロの税理士に聞いてみましょう。

相続税の計算

まとめ

いかがでしたか。今回は生命保険による節税のメリットと相続税の関係についてみていきました。相続税には大きく5つのメリットがあり、財産を不動産で持つよりも、比較的簡単かつ確実に、相続税を節税することができます。

相続税がどの程度安くなるかについては、相続専門の税理士に聞いてみるようにしましょう。確実なアドバイスを受けることができます。

また、税理士のなかでも、相続を専門にしている税理士なら、低価格で確かな節税対策の相談をすることができます。お得な節税対策については、ぜひ相続専門の税理士に相談してみるようにしましょう。